美術検定3級を受けて~表現が広げる絵画の空間~
本日11月10日は美術検定の試験日だった。
半年前に美術鑑賞にはまり、美術の勉強をしていたので力試しに3級にチャレンジしてみたのだがなかなかの出来だったのではないかと思う。
今回の活用問題ではちょうど今、東京都立美術館に展示されているマネの「フォリー=ベルジェールのバー」がテーマとなっていた。
先月鑑賞した時には、実際に絵の中の女給と相対しているような錯覚を覚えて感動したものだ。
このような効果は絵画内に大きな鏡を据えていることで鑑賞者の後ろ側に存在する景色を創り出すことで生まれているのだという。
問題はベラスケスの「ラスメニーナス」で同様の表現が使われているとし、その共通点を問うものだった。
拡張するキャンパス
両作品にはどちらにも鏡が描かれている。
「フォリー=ベルジェールのバー」では女給の背後の風景はすべて鏡に映った景色であるし、「ラスメニーナス」には画家のすぐ右にある鏡に国王夫妻が映っている。
鏡が映しだすのは絵画の手前の風景であり、自分が絵画の世界に入り込んでしまったか、はたまた絵画の世界が現実のもののように錯覚させてくる。
特に「ラスメニーナス」のうまいのは鏡のすぐ横に画家を配置することで鑑賞者を画家が描いている国王夫妻の視点に置いているところだ。
また、奥行きのある部屋の奥のほうに鏡を置いており前にも後ろにも空間が広がっているような錯覚を覚える。描かれている空間の大きさは明らかに「フォリー=ベルジェールのバー」のほうが広いのに、「ラスメニーナス」のほうが広く見えるのはそうしたわけがあるのではないか。