美術検定3級を受けて~表現が広げる絵画の空間~
本日11月10日は美術検定の試験日だった。
半年前に美術鑑賞にはまり、美術の勉強をしていたので力試しに3級にチャレンジしてみたのだがなかなかの出来だったのではないかと思う。
今回の活用問題ではちょうど今、東京都立美術館に展示されているマネの「フォリー=ベルジェールのバー」がテーマとなっていた。
先月鑑賞した時には、実際に絵の中の女給と相対しているような錯覚を覚えて感動したものだ。
このような効果は絵画内に大きな鏡を据えていることで鑑賞者の後ろ側に存在する景色を創り出すことで生まれているのだという。
問題はベラスケスの「ラスメニーナス」で同様の表現が使われているとし、その共通点を問うものだった。
拡張するキャンパス
両作品にはどちらにも鏡が描かれている。
「フォリー=ベルジェールのバー」では女給の背後の風景はすべて鏡に映った景色であるし、「ラスメニーナス」には画家のすぐ右にある鏡に国王夫妻が映っている。
鏡が映しだすのは絵画の手前の風景であり、自分が絵画の世界に入り込んでしまったか、はたまた絵画の世界が現実のもののように錯覚させてくる。
特に「ラスメニーナス」のうまいのは鏡のすぐ横に画家を配置することで鑑賞者を画家が描いている国王夫妻の視点に置いているところだ。
また、奥行きのある部屋の奥のほうに鏡を置いており前にも後ろにも空間が広がっているような錯覚を覚える。描かれている空間の大きさは明らかに「フォリー=ベルジェールのバー」のほうが広いのに、「ラスメニーナス」のほうが広く見えるのはそうしたわけがあるのではないか。
カオスを学ぶ
飲食店で働いているとたまに理不尽な場面に出くわす。
例えば、「スパゲティを一つください」と言われて、スパゲティをお持ちすると「半分のサイズの方が欲しかったんだけど」などと言われることがあるのだ。
本来であれば最初から「半分のサイズのスパゲティをください」と注文するべきなのだが、だからといって何を言ってもお客様は納得するわけがないので、新しく半分のサイズを作り直してお持ちすることになるのだ。
だれが正しいのか間違っているのかではない。そうだからそうなのだ。お客と店員の間には論理を超越した関係性が存在する。そんな時私はカオスを感じる。
よく考えれば世の中にはカオスが溢れている。理不尽な校則や理不尽な教師、やらざるを得ないサービス残業、他人の感情に振り回されるなどなど、世の中は秩序や論理的な公式を超越した状況がたくさんあるのだ。ではどうすればいいのか。
そもそも我々人類は自然と離れすぎてしまっているが故、本来世界がカオスの塊であることを忘れてしまっている。全く予測不能で、突然地震に見舞われるかもしれない、隕石が落ちてくるかもしれない、そんな中で人間は努力に努力を重ねてなるべく秩序の中で生きられるようにしてきたのである。秩序というものは人工物で、不自然なものなのだ。カオスこそ自然、厳然としてそこにあるもの、世界そのものなのである。カオスを受け入れる。世の中が完全に秩序立っているという思い込みを外すことは人間として成長する第一歩なのではないか。
自分の命に関わる理不尽ならば、身を守るために対策を練るだけだ。怒りは必要ない。また、前述の注文間違いのような些細な事柄であればなんのことはない、受け入れてしまうのが一番なのだ。これもまたカオス。さもありなん。
我々はカオスに生きてカオスに学ぶ。
少将滋幹の母を読んで〜子供の頃のほろ苦い思い出〜
国経が自らの最も大切なものである若く美しく妻を時平に譲ってしまう場面より感じたこと
私の小学校ではポケモンカードが流行っていた。周りの多くの友人が集めているのだから私も集めるのである。しかしお小遣いをもらっているわけでもなかった私は親にねだって時々買ってもらう程度で、それほど頻繁に購入できていたわけではない。それでも一度レアで強力なカード「リザードンlv76」というカードを当てたことがある。今も昔も目立ちたがりで人から好かれたいという気持ちの強い私であったから、このカードを手に入れた翌日から友人に自慢したものだ。
成績も良くなく、運動もそれほどできず、落ち着きもなかったので、当時私は随分クラスでは浮いた存在で少し疎まれていた。しかしリザードンのカードを持っていると周りはもてはやしてくれて羨ましがってくれた。その時は大変誇らしかったものだ。しかし私がこのカードを持っていた期間はとても短く1週間に満たない。私は誰か友人との交換に出してしまったのである。
(このカードを持っているだけでこれだけの人が集まってくれる、羨ましがってくれる。ではこのカードを誰か友人に譲ったら?あるいはもっと人気者になれるのではないか?)
そんな考えが確かにあった。もちろん交換する際に友人はそれなりにいいカードをくれた。しかしやはりこのカードには及ばない。それもわかっていた。人気ものになるために、寂しい学校生活を抜け出すために、私は虎の子のカードを交換に出してしまった。
人が集まってきていたのはこのカードに集まってきていたのである。カードを持たない私に価値はない。私はその後再び浮いた存在に逆戻りしてしまった。一時的な人気取り、スクールカースト上位の者への迎合。私はその時明らかに優先順位を違えてしまった。譲った翌日には後悔が押し寄せてたまらなかった覚えがある。
滅多に買ってもらえないカードの中に入っていたレアカード、それは他人にとってどれほどの価値であろうと私にとっては明らかに掛け替えのない存在だったはずだ。また、それを譲ったからといって人気者になれるはずもない。寧ろ大切なものを手放してしまう愚か者として陰で笑われる存在になってしまうだろう。しかし弱者というものはそういう行動をとってしまうものなのだ。
普段人から構われることも、羨望の目を浴びることも少ない我々弱者というものはあらゆる手段で強者に取り入りたいと思ってしまうのだ。どうにかして強者の仲間入りをしたいと思ってしまうのだ。その過程で自分の本当に大切なものを失ってしまうことがある。愚かで哀れな行為ではないだろうか。
国経が宴席でちやほやされて、いい気分で酔っ払ってしまって、自分の一番大切のもの、もしくは自分の唯一の自慢である美しい妻を時平に譲ってしまう。国経も様々理屈をこねているが要は強者によく思われたい、取り入りたいという気持ちあっての行動だったのではないか。だとしたらその気持ち、すごく分かるなぁ。
あなたがもし人に迎合してしまうような所のある弱い人間であるなら、そんな経験一度くらいはあるんじゃないかな。
PS
因みに「リザードンlv76」は今じゃヤフオクで1万円以上の値がつくレアカード。あの時交換に出さなくても、20年近く大切に持ち続けることができたかは疑問だが、やっぱり手放しちゃいけないものだったな・・・。
紅葉とコスモスと水平線
茨城県のひたち海浜公園のコキアが紅葉していて見頃らしい。妻がFacebookでそんな情報を見つけたので行ってみることにした。
ひたち海浜公園には一度3月に行ったことがあった。その季節には派手な花や紅葉は無かったが、小高い丘から草原の緑と太平洋の水平線が遍在する映画のような景色が観れる気持ちのいい公園だった。
武蔵小杉から品川まで出てきてそこから特急列車に乗って勝田駅まで2時間弱。そのあと公園までの直通バスに乗って30分ほどで公園に着く。
本日天気はあいにくの雨。お出かけ日和とは言えないが公園はコキアの紅葉を観に来た人で賑わっていた。バス乗り場も少し行列は出来ていたが、意外にもスムーズにバスに乗ることができた。晴れていたらもっと並ぶことになったかもしれない。そう考えると雨も悪くない。
コキアが群生している「みはらしの丘」までは公園入り口から徒歩15分ほど。公園内バスを使うと5分ほどで行くことができる。運賃は300円。雨も降っていたので今日はバスを使った。
みはらしの丘に着くと一面のコスモス、その先にコキアの紅葉が広がっている。花畑と紅葉。幻想的な風景に心を奪われる。丘を登ればやはりその先には太平洋。こんな景色を見ることのできる場所があったのかと驚くばかり。
プレジャー ガーデンエリアにはバラ園が設置されている。色とりどりのバラを楽しむことができ綺麗だった。特に今日は雨粒がバラの花弁をキラキラ輝かせてよく映えていた。
海浜エリアへと歩いて行くと途中「香りのガーデン」という場所がある。さまざまな香りを放つ草花を植生しているエリアなのだが、そこでは本当に色々な香りを嗅ぐことができる。印象に残っているのが「カレープラント」。歩いていると本当に唐突にカレーの香りがする。
海浜エリアには海を一望することのできる休憩所券カフェがある。よりよく水平線を見渡すことができる。休憩がてら海を眺めていると雨が上がった。すると太平洋の真上に巨大な虹。遮蔽物がなく広く見渡せる場所であるから、綺麗なアーチを描く虹をくっきりみることができた。この時ばかりは雨が降ってよかったと思った。
帰りに出口から公園を振り返ればまた綺麗なアーチを描いた虹がかかっていた。そしてその少し上にもう一本の虹。虹が二本かかっている。
「ダブルレインボー」―――これを見たものは幸福になれると言われているらしい。また、ハワイではこれを見たものは再びハワイに戻ってこれるという言い伝えがあるという。結局雨のおかげで珍しいものを見ることができた。
ここの春はネモフィラが綺麗らしい。それを見にまた戻ってこれるといいと思う。
2018.10.23
毎週月曜日定休(月曜日が祝日の時は火曜日休園)
品川駅より特急ひたち・いわき方面に乗り勝田駅まで1時間25分・運賃3618円
勝田駅東口2番乗り場よりバスに海浜公園西口まで30分ほど・往復運賃と入場料合わせて1000円
和出汁と旨味
皆さん和出汁の特徴ってご存知でしょうか?
以前少しだけ触れたことがあるのですが、和出汁って世界の料理のベースの中でも特殊なスープなんです。
今回は和出汁をテーマに「旨味」について考えていきたいと思います。
水と食文化
日本は何より水が良い。小さな島国で海に囲まれている上、急流で小さい川ばかり。おまけに水は軟水で飲みやすい。古来水害に悩まされてきましたが、その分飲み水の確保には困りませんでした。
あらゆる料理には水を使用しますし、作物も家畜も水を飲んで育ちます。水は料理と切っても切れない関係にあり、水の良し悪しは食文化に大きな影響を及ぼします。
料理において水が良いというのは水が美味しいということではなく、クセがないということです。
癖のある水、例えば硬水を使用して料理をすればクセを消すことまで考慮して味付けをする必要があります。
水の存在感を消す為出来るだけ多くの食材、香辛料を使い複雑な味付けをすることになるのです。
和出汁をは主に魚介類と昆布を数十分煮るだけで 取ります。西洋のブイヨンや中華だしのように多くの種類の食材は使いませんし、長時間煮ることもしません。
もともと飲みやすい水で作られてきたスープですから、食材の塩味や甘味でクセを消す必要が無いのです。
その代わり和出汁は「旨味」という味だけを出すことに特化したスープになりました。
UMAMIは日本発祥
19世紀まで人間の舌が感知する味は塩味、甘味、苦味、酸味の4種類だと言われてきました。
しかし日本では昔から「出汁が効いている」という塩味とも甘味ともつかないまろやかな感じを表現する言葉が存在しており、これは4種類の味では表現できなかったのです。
1908年に東京帝国大学の教授であった池田菊苗氏が、この4種類とは異なる味もつを物質、グルタミン酸を出汁昆布から発見したことで「旨味」という味が生まれました。
また味覚を感知する器官「味蕾」に旨味を感知するグルタミン酸受容体が存在することがわかったのが2000年。つい最近の出来事なのです。
日本で発見されたこの「旨味」。海外でもUMAMIという日本語そのままの言葉で呼ばれている、日本料理の特徴的な味と言えるのかもしれません。
旨味の相乗効果
旨味成分にもいくつかの種類が存在し、それぞれが異なる旨味を持っています。
代表的なのが、昆布のグルタミン酸、カツオや煮干しのイノシン酸、干し椎茸のグアニル酸の3つです。
旨味は単体では感知しにくい味なのですが、グルタミン酸とイノシン酸もしくはグアニル酸を一緒に摂取することで約8倍もの味を感知することができます。
これを旨味の相乗効果といい、世界でも無意識のうちにこの相乗効果を起こすことで美味しさを表現してきた料理が存在します。
例えば中華料理の鶏ガラスープを作るとき、鶏だけでなく青ネギを一緒に煮るのも旨味の相乗効果を起こす組み合わせ。鶏肉のイノシン酸と青ネギのグルタミン酸で相乗効果が起きています。
和出汁も、グルタミン酸の昆布と、イノシン酸の魚介の合わせ出汁で作ることが多く旨味の相乗効果でより味を強く感じることができるようになっているのです。
それぞれの特性
3種類の旨味成分の特性を紹介する為、3つの和出汁を味見してみました。
1、いりこ出汁、カツオ出汁
イノシン酸の旨味を感じることのできる魚介の出汁です。タンパク質を使った出汁ですので一番美味しく感じると思います。味は一番強いです。はなまるうどんのスープを飲んだ時喉の奥の方で感じる味がこの魚介出汁の味です。
2、昆布だし
グルタミン酸を豊富に持つ昆布の出汁です。独特のえぐみのある旨味が昆布の出汁の味です。魚介の味は喉の奥の方で感じますが、昆布だしは舌に直接広がるような感じを受けます。
3、乾燥椎茸の戻し汁
最後にグアニル酸を含んだ椎茸の出汁。生のままでは椎茸にグアニル酸は含まれていないのですが、干すと椎茸内の酵素の働きによってグアニル酸が生み出されます。それを水につけることでグアニル酸豊富な出汁ができます。
この味は個人的には一番わかりやすく、口の中に一気に広がる香ばしい旨味です。
個人的には一番癖が強く、わかりやすい旨味ではないでしょうか。香りも強いです。
和出汁を取る
ここで私がいつもやっている和出汁の取り方を紹介します。
材料
乾燥昆布1枚
煮干し10匹
①煮干しの頭と、ハラワタを取っておく。
②鍋に水1000ccを張り、昆布、煮干しをつけて10分ほどおく。
③中火にかけて沸騰させる。沸騰したら昆布は取り除き、沸騰しない程度の弱火にする。
④5、6分たったら火を止める。ザルにキッチンペーパーを敷いて、②の出汁を濾す。
たったこれだけで自家製だし汁が完成です。ここに塩を入れて味を調えると、某うどんスープの味になります。
煮干しで作るとマイルドで癖のないいりこ出汁になりますが、削り節などカツオを使いますとパンチの効いた強い香りのする出汁ができます。
和食に使うなら絶対カツオがオススメですが、癖のないいりこ出汁はパスタのソースのベースにしたり、煮込み料理のベースにしたりとオールマイティに活用できます。冷蔵庫に入れておけば大体3日ほどは風味が保たれて美味しいのでストックしておくのもオススメです。
和出汁活用料理
せっかく作った和出汁なので活用料理を紹介します。
いりこ出汁の優しい味は特にパスタのソースのベースに使うと塩分を抑えつつもしっかり味のついたパスタを作ることができます。
ソースに和出汁を使うだけでなく、パスタを茹でる際にも昆布だしを使うことで麺にしっかり旨味をつけます。麺自体に旨味をつけることでソースの味が引き立ち、味を調えるのが簡単になるのでいろんなパスタ料理に使ってみてください。
今回は和出汁を通じて旨味を紹介してきました。ご紹介した旨味食材の他にも、豚肉やトマト、チーズといった食材も旨味を含んでおり、それぞれの旨味成分を意識して組み合わせると素材の味が引き立った美味しい料理が作れますよ。
次回紹介する内容はまだ未定ですが、またアップしていくので是非読んでいってください。では〜。
塩と砂糖は保存料②
さあパンチェッタを作っていくぞ!
パンチェッタとはいわば生ベーコン。イタリア料理の食材でスパゲティやピザに使います。
普通のベーコンのように燻煙しないのでお家でも結構簡単に作れます。
肉を保存する
前回申しました通り、冷蔵庫のない時代食品の保存は人類の課題でした。特に肉や魚は細菌や寄生虫の宝庫。そのまま置いておいたら1日と持ちません。
肉もまた塩漬によって水分を抜くことで長期保存が可能になります。
一般的なハムやベーコンは塩漬の後、燻煙することで煙による殺菌効果を付加し更に長期保存を可能にしています。
大昔は単なる保存食として作られてきたハムやベーコンですが今では美味しい珍味として多くの人に愛されています。
熟成させて旨味の凝縮した豚肉は塩漬による塩味も相まって様々な料理の風味を向上させるのです。
イタリアンに多く使われる食材、トマトやチーズには旨味成分グルタミン酸が含まれており、豚肉の旨味成分イノシン酸とは相性抜群!
お互いの旨味を高め合う、旨味の相乗効果を生み出します。
また地域によって製法、気候が異なるため様々な種類のハム、ベーコンが存在し一種の文化にまでなっています。
プロシュート、ハモンセラーノ、金華ハムと言った世界三大ハムは特に有名ですね。
たっぷりな脂と豚の旨味
ハムは豚モモ肉、パンチェッタは豚バラ肉を塩漬して作られることが多いです。
豚バラ肉は脂身がたっぷりついた肉。
パンチェッタを炒めれば塩味が脂とともににじみ出て油も調味料も使わなくても他の食材に味を付けます。
あっさりしたオイル系のパスタに使えば、調味料いらずで味をつけることができます。
ベーコンとは違った独特の風味、喉の奥の方で感じるえぐみがあり、普段の料理に変化をつけることができます。
日本ではあまり耳慣れない食材ですが、パスタやピザには 是非このパンチェッタを使ってみて下さい。
案外スーパーなどでも取り扱ってたりしますよ。
パンチェッタの製法
ではパンチェッタを実際に作ってみましょう。
使うもの
網付きのバット(私は魚焼きグリルのバットを取り出して使用しました)
フォーク
キッチンペーパー
豚バラブロック
ローズマリー(瓶詰めでバラバラになっているやつ)
コショウ
胡椒
1、まずは調理器具を殺菌します。フォークとバットを使うので洗剤で洗った後、熱湯をかけて熱消毒しておきましょう。
長期間生肉を放置することになるのでしっかり殺菌して、 菌の繁殖が起こらないようにしておきます。
2、殺菌したバットの上に豚バラ肉を置いて、塩が入り込みやすいようフォークで数カ所に穴を開けます。
3、豚バラ肉全体に塩をまぶします。
4、肉にローズマリー、胡椒を振りかけて冷蔵庫で3日放置します。
5、3日経つと肉からドリップが出てきますので、ドリップは捨てます。
ここで肉の塩抜きをします。流水に30分ほどつけてしっかり塩抜きして下さい。ここで塩抜きをしないと塩っ辛いパンチェッタができてしまいます。
6、キッチンペーパーで肉の水気を拭き取り、キッチンペーパーに包んでバットに乗せ、また冷蔵庫に放置します。
7、肉からドリップが滲み出て、キッチンペーパーが湿ってくるので毎日確認してください。湿っていたらキッチンペーパーを取りかけます。
8、1週間ほど放置したら完成します。使うときには使う分を切ってローズマリーを洗い流して使いましょう。
パンと食べるだけでも美味しい!
パンチェッタを使ったカルボナーラ
パンチェッタを使うとそれだけで塩味がつくため、調味料を使わず食材本来の味を生かした料理を作ることができます。
こってり味付けのイメージなカルボナーラですが、チーズを少なめして作ることであっさり目な味付けに仕上げることができるんですよ。
材料(2人前)
スパゲッティ乾麺 200gくらい
パンチェッタ 100gくらい
アボカド 半分
卵 3個
塩15g
胡椒お好みで
粉チーズお好みで
1、卵3個をボールに割ってかき混ぜておきます。アボカドはブロックぎりにしておきます。
2、パンチェッタを細切れにし炒めます。油は敷かず、弱火でじっくり炒めます。焼き目がついたら火は止めます。
3、同時にパスタを茹でます。お湯が沸騰した際に塩を溶かして茹で時間は使用するパスタの指示通りに。
4、パスタをお湯に沸騰してから1分ほど経ったら、再びパンチェッタを強火にかけてパスタの茹で汁をおたま一杯分ほど入れます。フライパンを振りながらパンチェッタを混ぜて、しっかり乳化させましょう。
5、アボカドをフライパンに入れて少し熱を通します。
6、パスタが茹で上がったら麺をフライパンに移します。卵を入れてしっかりかき混ぜます。麺全体に卵が絡んだらお皿に盛り付けます。
7、最後に粉チーズ、胡椒をお好みでかけて完成。私は粉チーズを少量、胡椒はたっぷりが好きです。
カルボナーラの意味は煤という意味らしく、パスタにかかった胡椒が煤のようだからついた名前らしいです。だから私はいつも胡椒はいっぱいかけて食べます。
パスタを茹でる時しっかり塩を入れればこれで十分味はつきます。
卵は固まらないようちゃんと火を止めて混ぜてくださいね。
さて今回少し旨味について触れてみましたが、次回はこの旨味を中心に書いていきたいなと思っています。
ではまた次回〜
砂糖と塩は保存料
夏真っ盛り!
暑いですね。なんでも岐阜県の方では最高気温40度を超えたらしいですね。
年々最高気温が上がってきている気がします。このままいくと10年はどうなってしまうのでしょうか、、、
この夏場、食べ物なんてちょっと放置しただけですぐダメになっちゃいます。
常温で放置しようものなら、暖かくて元気いっぱいな細菌たちの餌食になってしまいます。
今でこそ冷蔵庫があり、食料の保存は容易になりましたが、冷蔵庫なんてたかだか数十年の間に生み出されたもの。
冷蔵庫がなかった数千年の間も人々は食料を安全に保存するという課題と共存してきました。
塩漬け、砂糖漬け
古くから使われてきた食料保存方法の一つに、塩漬け、砂糖漬けという方法があります。
これは塩や砂糖の「浸透」という現象を利用した保存方法で、現在でもジャムやハムを作る際にはこの現象を使っています。
自然は調和が大好き。水の多い場所と少ない場所があれば、水の量が一定になるよう多い場所から流れていきます。これが浸透という現象です。
食材に塩をまぶすと、塩に含まれた水分量と食材に含まれた水分量に不均衡が生じますので、水は塩の方へ流れていきます。また逆に食材の中の塩分濃度はもちろん外の塩よりも低いので、塩は食材の中へ浸透していきます。
結果食材の外と中の水分量と塩分濃度が等しくなり調和するのです。
食材の中にいる細菌もまた水分を含んでいるため、塩に水分をうばれて脱水症状を起こして死んでしまうのです。
現在でもハムやベーコンといった肉の加工はまず塩漬けにするところから始めます。
浸透は塩でなくても砂糖でも起こすことが可能。特に果物を保存する際には果物の甘味を生かすため砂糖が用いられます。ジャムやコンポートといった保存食には砂糖を用いた浸透により加工します。
浸透圧の違い
ところで塩と砂糖、一粒一粒の大きさに違いがあることはご存知でしょうか?
とても小さな粒の差ですから肉眼では見えませんが重さを見ると違いがわかります。
塩の大さじ1杯の重さは約18g、砂糖は約9g。
同じ大さじ一杯でも塩の粒は小さいため高い密度でさじに入るため3倍もの重さ分を取ることができます。
この粒の大きさの差は浸透する力の差、「浸透圧の差」にも現れます。
そもそも浸透という現象は食材の細胞膜に開いた小さな穴から物質(水や塩)が出入りする現象。必然的に小さい物質は浸透しやすく、大きな物質は浸透しにくくなります。
すると塩は砂糖よりも小さな物質でしたので、砂糖より浸透圧の高い物質ということになります。
食材に入り込みやすい、つまり味をつけやすいのです。
なのでもし砂糖と塩両方の味を食材に染み込ませたいときはまず砂糖につけるところから始めましょう。
先に塩漬けにしてしまうと、食材が塩を吸いきってしまいなかなか砂糖がしみ込んでいきません。
果物のコンポート
さて本日の料理ですが、コンポートを作っていきたいと思います。
果物を砂糖水で煮る果物の保存方法の一つです。ジャムのようにしっかり煮込まず糖度も低いのでそのまま手軽に食べれるヨーロッパの料理ですね。
シロップに溶け込んだ砂糖の浸透圧で細菌の繁殖が抑えられるため、果物の保存を可能にします。
また、砂糖水の他にワインや日本酒などを使うことで生の果物とは違った味わいを加えることができ美味です。
今回はリンゴのコンポートを作っていきます。
レシピ
リンゴのコンポート
材料
リンゴ2個
赤ワイン200cc
白ワイン200cc
ライム1個
砂糖100g
1、リンゴは8等分しておきます。
2、鍋を二つ用意し、それぞれ赤ワイン、白ワイン、砂糖を50gずつ、を入れて火にかけます。
3、ワインが沸いたらライムを半分ずつ絞って、リンゴを1個分ずつ入れて10分ほど煮ます。
4、それぞれ瓶やタッパーに入れて冷蔵庫で保管しましょう。色とりどりで盛り付けも鮮やかになります。
温かいままで食べても、冷やしてから食べても美味しいです。暑いからバニラアイスにでも添えてみてはいかがでしょうか。
さて次回もこの浸透をテーマにしていこうかと思います。今度は塩を使った浸透で、パンチェッタを作ってみたいと思います。