塩と砂糖は保存料②
さあパンチェッタを作っていくぞ!
パンチェッタとはいわば生ベーコン。イタリア料理の食材でスパゲティやピザに使います。
普通のベーコンのように燻煙しないのでお家でも結構簡単に作れます。
肉を保存する
前回申しました通り、冷蔵庫のない時代食品の保存は人類の課題でした。特に肉や魚は細菌や寄生虫の宝庫。そのまま置いておいたら1日と持ちません。
肉もまた塩漬によって水分を抜くことで長期保存が可能になります。
一般的なハムやベーコンは塩漬の後、燻煙することで煙による殺菌効果を付加し更に長期保存を可能にしています。
大昔は単なる保存食として作られてきたハムやベーコンですが今では美味しい珍味として多くの人に愛されています。
熟成させて旨味の凝縮した豚肉は塩漬による塩味も相まって様々な料理の風味を向上させるのです。
イタリアンに多く使われる食材、トマトやチーズには旨味成分グルタミン酸が含まれており、豚肉の旨味成分イノシン酸とは相性抜群!
お互いの旨味を高め合う、旨味の相乗効果を生み出します。
また地域によって製法、気候が異なるため様々な種類のハム、ベーコンが存在し一種の文化にまでなっています。
プロシュート、ハモンセラーノ、金華ハムと言った世界三大ハムは特に有名ですね。
たっぷりな脂と豚の旨味
ハムは豚モモ肉、パンチェッタは豚バラ肉を塩漬して作られることが多いです。
豚バラ肉は脂身がたっぷりついた肉。
パンチェッタを炒めれば塩味が脂とともににじみ出て油も調味料も使わなくても他の食材に味を付けます。
あっさりしたオイル系のパスタに使えば、調味料いらずで味をつけることができます。
ベーコンとは違った独特の風味、喉の奥の方で感じるえぐみがあり、普段の料理に変化をつけることができます。
日本ではあまり耳慣れない食材ですが、パスタやピザには 是非このパンチェッタを使ってみて下さい。
案外スーパーなどでも取り扱ってたりしますよ。
パンチェッタの製法
ではパンチェッタを実際に作ってみましょう。
使うもの
網付きのバット(私は魚焼きグリルのバットを取り出して使用しました)
フォーク
キッチンペーパー
豚バラブロック
ローズマリー(瓶詰めでバラバラになっているやつ)
コショウ
胡椒
1、まずは調理器具を殺菌します。フォークとバットを使うので洗剤で洗った後、熱湯をかけて熱消毒しておきましょう。
長期間生肉を放置することになるのでしっかり殺菌して、 菌の繁殖が起こらないようにしておきます。
2、殺菌したバットの上に豚バラ肉を置いて、塩が入り込みやすいようフォークで数カ所に穴を開けます。
3、豚バラ肉全体に塩をまぶします。
4、肉にローズマリー、胡椒を振りかけて冷蔵庫で3日放置します。
5、3日経つと肉からドリップが出てきますので、ドリップは捨てます。
ここで肉の塩抜きをします。流水に30分ほどつけてしっかり塩抜きして下さい。ここで塩抜きをしないと塩っ辛いパンチェッタができてしまいます。
6、キッチンペーパーで肉の水気を拭き取り、キッチンペーパーに包んでバットに乗せ、また冷蔵庫に放置します。
7、肉からドリップが滲み出て、キッチンペーパーが湿ってくるので毎日確認してください。湿っていたらキッチンペーパーを取りかけます。
8、1週間ほど放置したら完成します。使うときには使う分を切ってローズマリーを洗い流して使いましょう。
パンと食べるだけでも美味しい!
パンチェッタを使ったカルボナーラ
パンチェッタを使うとそれだけで塩味がつくため、調味料を使わず食材本来の味を生かした料理を作ることができます。
こってり味付けのイメージなカルボナーラですが、チーズを少なめして作ることであっさり目な味付けに仕上げることができるんですよ。
材料(2人前)
スパゲッティ乾麺 200gくらい
パンチェッタ 100gくらい
アボカド 半分
卵 3個
塩15g
胡椒お好みで
粉チーズお好みで
1、卵3個をボールに割ってかき混ぜておきます。アボカドはブロックぎりにしておきます。
2、パンチェッタを細切れにし炒めます。油は敷かず、弱火でじっくり炒めます。焼き目がついたら火は止めます。
3、同時にパスタを茹でます。お湯が沸騰した際に塩を溶かして茹で時間は使用するパスタの指示通りに。
4、パスタをお湯に沸騰してから1分ほど経ったら、再びパンチェッタを強火にかけてパスタの茹で汁をおたま一杯分ほど入れます。フライパンを振りながらパンチェッタを混ぜて、しっかり乳化させましょう。
5、アボカドをフライパンに入れて少し熱を通します。
6、パスタが茹で上がったら麺をフライパンに移します。卵を入れてしっかりかき混ぜます。麺全体に卵が絡んだらお皿に盛り付けます。
7、最後に粉チーズ、胡椒をお好みでかけて完成。私は粉チーズを少量、胡椒はたっぷりが好きです。
カルボナーラの意味は煤という意味らしく、パスタにかかった胡椒が煤のようだからついた名前らしいです。だから私はいつも胡椒はいっぱいかけて食べます。
パスタを茹でる時しっかり塩を入れればこれで十分味はつきます。
卵は固まらないようちゃんと火を止めて混ぜてくださいね。
さて今回少し旨味について触れてみましたが、次回はこの旨味を中心に書いていきたいなと思っています。
ではまた次回〜